何をどこに相談すればいい?子育ての相談窓口をわかりやすく解説【公的機関編】

子育てで困ったことや不安なことがある時、相談できる相手はいますか?

お子様の心や体の健康はもちろん、保護者の方の健康を守るためにも、悩みを抱えこまず誰かに相談することはとても大切です。

全国には心理や福祉の専門家が在籍する様々な公的相談機関があります。

今回は、子育て全般について、心の健康について、不登校について、発達障害について、非行や暴力、犯罪などについて相談できる機関をそれぞれご紹介します。

専門家に相談したいと思ったり、誰に相談したらいいか分からない時は、こうした相談機関を利用することも検討してみていただけたら幸いです。

すべて基本的に無料で相談することができ、相談に関する秘密は厳守されます。

今は特に悩みがない方も、どのような相談機関があるか知っておくと、いざという時に役に立つかもしれません。

この記事を書いた専門家

山崎

山崎 日菜乃


公認心理師、臨床心理士

心理士としてメールカウンセリングに3年半従事し、家族関係の悩み、心身の不調、仕事の悩みなど、様々な困り事へのサポートを行う。アメリカ合衆国在住。

学齢期の子育ては、何をどこに相談したら良いのか、悩むことが多いと思います。
友人や家族に相談しても解決しないこと、あるいは誰にも相談できないことがある中では、公的な相談窓口を利用することもお勧めします。

以下は、これからご紹介する相談窓口をどのようなテーマで選択していけばいいかをまとめたものですので合わせてご活用ください。


18歳未満の子供に関する事柄について、本人、家族、教師、地域住民など、どのような立場からでも相談できる機関です。各都道府県と政令指定都市に1つ以上設置されています。

子育ての悩み、不登校や学業不振、様々な障害、子供の気になる行動、虐待、子供の養育が困難になった時の相談など、子供に関する幅広い内容を相談することができます。

児童福祉司児童心理司保健師などの専門スタッフが対応します。

直接訪問しても相談できますが、あらかじめ電話をかけて来所日の予約をしておくとスムーズです。

はじめに悩みや状況について詳しいヒアリングが行われた後、アドバイスや情報提供、必要に応じて専門機関の紹介などが行われます。

電話のみでの相談も受け付けています。

児童相談所相談専用ダイヤル「0120-189-783(いちはやくおなやみを)」(通話料無料)に電話をかけると自動でお近くの児童相談所に繋がります。


高校生相当までの子供やその保護者、教員が相談することができる機関です。

都道府県や市区町村に設置されています。

いじめや不登校、友人関係、進路といった学校生活に関する相談、子供との関わり方や子育てに関する相談、発達や障害、特別支援教育に関する相談などを幅広く受け付けています。

臨床心理士公認心理師やスクールソーシャルワーカーといった、心理や教育の専門スタッフが対応します。

地域によっては不登校の子供への居場所を提供しているところもあります。

来所して相談したい場合は電話による予約が必要な地域がほとんどです。

電話による相談も可能です。

また、地域によっては子供本人からの相談や、いじめ不登校の相談専用の相談ダイヤルがあったり、SNS相談やEメール相談を行っているところもあります。

「地域名  教育センター」で検索してお住まいの地域のセンター情報をチェックしてみられることをおすすめします。


お子様の学校に設置されているスクールカウンセラーは、子供本人だけでなく保護者からの相談も受け付けています。

学校や家庭でのトラブル、不登校、友人関係、いじめ、親子関係、学習について、発達障害、気になる行動など、様々な相談をすることができます。

公認心理師や臨床心理士、精神科医など、心の専門家が対応します。

スクールカウンセラーは子供の学校での様子も踏まえて、必要に応じて先生たちとも協力しながら子供や保護者のサポートをしてくれる存在です。

週に数日しか学校にいない場合も多いため、相談したい時は担任の先生や窓口担当の先生に伝えてみましょう。


※ 子育て支援課、子ども家庭センターなど地域によって名前が異なります。

全国に8000ヶ所近くあり、親子同士の交流や育児相談、情報提供などを受けられる、身近な場所で親子が気軽に集える機関です。

センターによって、年齢を問わず相談を受け付けているところもありますが、就学前までの子供を対象としている所が多いです。

子供への接し方、遊び方、しつけ、離乳食、その他不安なことや気になることなど、乳幼児期の子育てに関する様々な相談を受け付けており、必要に応じて近隣の医療機関等が紹介されることもあります。

他にも、子育てに関する情報提供や講習会、遊びや読み聞かせなどを通した交流の場も提供されています。

育児や保育に関する知識経験豊富なスタッフが対応します。

サービス内容や利用できる日時、利用方法などは地域によって異なりますので、「市区町村名  子育て支援センター」で検索してみられることをおすすめします。

地域によっては、電話やオンラインでの相談受付、訪問相談を行っているところもあります。


心の健康に関する相談について幅広く受け付けている機関で、各都道府県と政令指定都市に設置されています。

心の健康相談から精神医療に関わる相談、思春期青年期の相談まで、心の調子で気になることや困っていることを本人や家族が相談することができます。

保護者や子供の心の不調について、どこに相談すればいいか分からない、病院に行くべきか連れていくべきか分からないといった相談も可能です。

地域によって規模は異なりますが、医師や看護師、保健師、精神保健福祉士、公認心理師、作業療法士などの専門スタッフが対応します。

電話による相談も受け付けています。来所して相談する場合は、事前に電話で予約しておくとスムーズです。

こちらのページから、全国の精神保健福祉センターの電話番号やホームページのURLを確認していただけます。

全国精神保健福祉センター一覧

https://www.zmhwc.jp/centerlist.html


ひきこもりに特化した相談窓口で、本人や家族が相談することができます。

すべての都道府県と政令指定都市に設置されています。

子供に関する相談を積極的に受け付けているかどうかは地域により、子供に関する相談は教育センターや児童相談所など他の機関に相談するようにとの記載がある地域もあります。

ひきこもりに関して、本人や家族への相談支援だけでなく、地域の関係機関との連携、同じ悩みを持つ人が集まる居場所が紹介されることもあります。

社会福祉士や心理士、精神保健福祉士などの専門スタッフが対応します。

電話や来所による相談を受け付けていて、来所の場合は電話での予約がおすすめされていることが多いです。

対象年齢や支援内容などは地域によって異なりますので、以下のページからお近くのセンターの情報を確認してみてくださいね。

◯全国の相談窓口はこちら ひきこもりVOICE STATION

https://hikikomori-voice-station.mhlw.go.jp/support


長期間学校に通えていない小中学生(地域によっては高校生も対象)やその保護者が相談したり、学習支援やカウンセリング等のサポートを受けられる機関です。

市町村や都道府県の教育委員会によって設置されています。

個別の相談をすることができるだけでなく、子供が無理のないペースでセンターに通い、学習支援、社会体験、自然体験、調理やスポーツなどの活動をすることができます。

また、在籍する学校との連携が行われ、教育支援センターに通うことで在籍校での出席扱いとする措置が行われている所がほとんどです。

教育支援センターへの相談や通室を検討する上では、子供自身が通いたいと思うかなど、本人の意思や気持ちを確認し尊重することもとても大事です。

また、利用するための条件は自治体ごとに定められていますので、「お住まいの地域名 教育支援センター」で検索し、お近くのセンターの情報を確認してみられることをおすすめします。


子供や大人の発達障害に関する事柄を、本人や家族、その他の関係者が相談することができる機関です。

各都道府県に1ヶ所以上設置されています。

子供が自分が発達障害かもしれない、発達障害と診断されたがどうすればいいか分からない、発達障害の子供との関わり方について相談したいなど、発達に関する様々な相談を受け付けています。

発達障害の診断がなくてももちろん相談することができます。社会福祉士や臨床心理士、言語聴覚士、医師等の専門スタッフが対応します。

地域によって行われる支援内容は異なる部分もありますが、必要に応じて、発達検査の実施やアセスメント、療育に関するアドバイス、福祉制度や医療機関、福祉施設の紹介などが行われることが多いです。

基本的に来所による相談で、まずは電話で予約をする必要のある所がほとんどです。

こちらのページから、全国の発達障害者支援センターの電話番号やホームページのURLを確認していただけます。

◯全国の発達障害者支援センター

https://www.rehab.go.jp/ddis/action/center

こちらの記事では、発達障害についての相談窓口を詳しくご紹介しています。


非行や犯罪、問題行動等について相談支援を行う専門機関で、本人や家族、学校や相談機関からの相談を受け付けています。

各都道府県の県庁所在地を中心に設置されています。

センター名に少年という言葉がついていますが対象年齢に制限はありません。

暴力暴言、夜遊びや無断外泊、スマートフォンやオンラインゲームの課金長時間の使用、金銭の持ち出し、性に関するトラブルなど、困っている行動や気がかりな行動について相談することができます。

法務技官(心理の専門家)や法務教官(教育の専門家)が相談に応じ、面接や心理検査、心理教育的な働きかけなどを行います。

本人に対しては気持ちや考えを一緒に整理したり、保護者に対しては本人にどう関わったらいいかを話し合うなどのサポートが行われることが多いです。

基本的には来所による相談で、メールか電話での予約が必要です。匿名での相談も受け付けています。

場合によっては電話での相談も受け付けているようです。

あなたのお悩みやニーズに合う相談機関はありましたでしょうか。

公的相談機関は基本的に無料で、専門家に相談することができるのが強みだと思います。

また、こうした公的相談機関以外にも、かかりつけ医や民間の相談機関カウンセリングサービスなど、相談できるところは本当にたくさんあります。

様々な相談先を知ることで、専門家に相談することへのハードルが下がったり、困ったらここに相談できる!と思える場所の候補が一つでも増えたらいいなと思います。

Gifted Gazeでは、子育てに関する悩みや発達障害に関するご相談を専門家が受け付けています。お気軽にご相談ください。

参考情報