子どもの認知特性:4つの種類と診断方法〜我が子の学習スタイルはどのタイプ?〜 (1)

みなさんは、聞いて覚える人ですか?観て覚える人ですか?

耳から聞いたことをすぐに理解することが得意な子もいれば、目で見たものから情報を得ることが得意な子もいます。

同じ人間なのに、この個人差はなぜ生じるのでしょうか?

その答えの一つが「認知特性」です。

この認知特性を知り、活用することで子どもたちの学習効率を高めるヒントにもなります。

本記事では、認知特性の基本や割合、それを生かした学び方、簡単に調べる方法などについて掘り下げていきます。

認知特性とは、目で見る、耳で聞くなど、感覚器から入ってきた様々な情報を脳の中で処理する能力のことです。

この「処理」とは、 整理する・記憶する・理解するなどの脳内でのアクションです。

認知特性は、大きく「視覚優位」「言語優位」「聴覚優位」「身体感覚優位」の4つのタイプがあります。

子どもがどの認知特性に優位があるかどうかを理解しバランスを知ることで、その子に合った学習方法を見つけやすくなります。

さらに、適切な学習法を取り入れることで学びの成功体験が増え、「もっとできる」「もっとやってみたい」という学ぶ意欲も上がります。

ぜひ我が子がどの認知特性を持つか、最後まで読んでみてください。

まずは、それぞれの認知特性の要素について紹介します。


視覚優位の子どもは、空間や絵、情景などの全体像を理解することが得意です。

写真や絵を見てすぐに覚えることができる子は、この特性が強いためです。

なお、視覚優位の中でも、平面の情報処理が得意なのか、空間(3D)の情報処理が得意なのかも分かれます。

  • ノートや紙に落書きをよくする
  • 物の配置や色の違いに敏感
  • 道順を説明するときに視覚的な情報を使う
  • 動画やアニメーションを使って学ぶ(映像での理解)
  • 色や形を使って情報を整理する(カラーペン・付箋・単語カード)
  • 図やグラフを自分で作る(可視化して理解を深める)

言語優位の人は、話す・書くといった言葉の活用が得意です。

読書や会話が好きで、言葉を通じて情報を理解・整理することが得意な人が多いです。

なお、言語を映像化して考えるタイプか、読んだり聴いたりした言葉をそのまま考えるタイプかにも分かれます。

  • 本や文章を読むのが好きで、文字情報に強い興味を示す
  • 何かを説明するときに、「つまりね…」と論理的に話そうとする
  • 言葉遊び(しりとり、なぞなぞ、クロスワードパズル)が好き
  • ディスカッションやディベートを活用すると、理解が深まる
  • 書くことを通じて、学びの内容を整理しやすい
  • 言葉を使って説明することで、知識を確実なものにできる

言葉を耳で聞いて情報を捉える方法が得意で、口頭で与えられた指示に簡単に従い、記憶することができるため、学校の勉強や実践の場面でも難なく対応できる人が、聴覚優位の傾向があります。

言葉を文字や文章としてとして理解して処理するのか、音色やトーンなど音楽的な情報として処理するのかなど細かく分かれます。

  • 人の話を聞くのが好きで、細かいニュアンスまで覚えている
  • 好きな歌やCMの音楽をすぐに口ずさむ
  • 指示を言葉で受けると、スムーズに動ける(例:「この順番でやってね」と言われると理解が早い)
  • 音読やシャドーイングを活用する
  • 音声教材を活用する(ポッドキャスト・オーディオブック)
  • リズムや歌を活用して暗記する

音や音楽の感受性が強い人は、聴覚優位タイプに分類されることが多いですが、必ずしもそうとは限りません。

例えば、絶対音感を持つ子どもは、環境の影響を大きく受けることが多く、幼少期に音楽を学ぶことでその能力が顕在化することが多いとされています。


上の3つが基本分類ですが、こちらもご紹介しておきます。手を動かしたり、体を動かしたりしながら学ぶことで理解が深まりやすいのが特徴です。

逆に、座ったままの勉強では集中が続かず、学習がうまく進まないこともあります。

  • じっと座っているのが苦手で、常に体を動かしたがる
  • 触ったり動かしたりしながら物を理解しようとする(例:新しいおもちゃを見つけると、まず手に取って動かしてみる)
  • 話を聞いているときに、何かを手でいじる(ペンを回す、指を動かす)
  • 実験や工作などの体験型学習を取り入れる
  • 体を動かしながら学ぶ
  • ロールプレイやごっこ遊びを取り入れる

発達障害のある子どもは、特定の認知特性が極端に強い場合があり、環境の影響を受けやすいため、適切な学習環境を整えることが重要です。


発達障害を持つ子どもの中には、音に対して非常に敏感なケースもあります。

例えば、自閉スペクトラム症(ASD)の子どもは、特定の音に対して過敏に反応することがあり、これは聴覚認知特性の違いによるものと考えられています。


身体感覚優位の子どもと発達障害の子どもには、共通する特徴があるため混同されやすいですが、異なる点が多くあります。

どちらも「じっと座っているのが苦手」「体を動かしたがる」などの行動が見られますが、それがどのような理由で起こるのかを見極めることが大切です。

以下を一つの参考にしてみてください。

一般的に、視覚優位の人が最も多く、次いで言語優位、そして聴覚優位の人が最も少ないといわれています。

一方で、「才能発掘診断」では以下のような結果となっています。(2025年3月時点)

  • 視覚優位(イマジネタータイプ)…35%
  • 身体感覚優位(アスリートタイプ)…28%
  • 言語優位(ヴァーヴァリストタイプ)…25%
  • 聴覚優位(オーディトリストタイプ)…12%

さらに、ここで認知特性と密接に関わりがある「認知処理様式」をご紹介しておきたいと思います。

認知特性が個々の情報処理の「能力」を指すのに対し、認知処理様式はこの能力をどのように活用するか、「処理の方法」を意味します。

この方法には「継次処理」と「同時処理」の2つがあります。


連続して入ってくる情報を線形的または順序立てて処理します。情報が一つずつ、かつ一連の順序で扱われます。

情報は一つずつ、明確な順序で処理されるため、各ステップが完了してから次のステップに移る必要があります。

✔ 情報を順序立てて処理するのが得意
✔ 言語的・数学的思考が得意
✔ 文章の流れを論理的に理解できる


情報の全体を捉えてから複数の情報同士を関連付けて理解したり、ものごとを全体的にまとめて記憶する方法です。

パターンや関連性もまとめて把握します。

✔ 全体を見て情報を把握するのが得意
✔ 空間的・視覚的な思考を元に新しいアイデアを考える
✔ 図やグラフを見て意味をすぐに理解したり、空間の広がりをイメージできる


聴覚と言語の認知特性が優位の子どもは、「継次処理」の方が得意で、視覚優位の子どもは「同時処理」の方が得意な場合が多いとされています。

視覚の認知特性が高い子どもは、感覚的・抽象的に物事を捉えることができるため、理由を問われても説明することができないこともあります。

耳で聴くだけで情報を処理することが苦手な傾向があるため、先生が一方的に話すような講義スタイルの勉強方法では集中できなかったり十分に情報を吸収できないこともあります。

一方で、言語・聴覚の認知特性がある子ども、は分析的で細部の情報を処理しやすいため、論理的でより社会的なアウトプットが得意という傾向もあります。

「才能発掘診断」では、子どもの認知特性の要素を把握し、学び方のスタイルを知ることができます。

認知特性のバランスだけでなく、子どもの個性に影響する非認知能力や才能領域を推測することができます。

ぜひ参考にしてみてください。

才能発掘診断を詳しく見る

見たり聞いたりすることで学ぶ子、実際にやってみることで学ぶ子、読書で学ぶ子、質問をすることで学ぶ子など、さまざまなスタイルがあります。

一つだけの学習スタイルに完全に合致することはあまりなく、特定の学習スタイルの組み合わせによるパターンがあると考えられています。

認知特性を理解することで、子どもたちの学びの喜びをより豊かにできるといいですね。