ギフテッドの男の子の”育てにくさ”はあるの?〜特徴と才能の活かし方〜
「ギフテッド」とは、特定の分野において、年齢に比べて非常に高い能力を持つ子どもを指します。
特に、ギフテッドの男の子の場合、ギフテッドの特徴が学校生活や集団生活の中などで目立つと、周りの人の理解がないと、
「変わってるよね」
「なんでそんなことするの?」
と思われることもあるでしょう。
その裏には、お友だちとのギャップや、自分自身の能力ごとのアンバランスさに悩んだり、ギフテッド当人なりの生きづらさを抱えているケースもあります。
よき理解者に恵まれないと二次的な問題を抱える場合も。
この記事では、ギフテッドの特に男の子に見られる特徴やその背景、彼らの才能を活かすためのコミュニケーションやサポートの方法について、親や先生が取り組める方法を詳しく解説します。
ご留意事項
本記事では、ギフテッドの子どもたちに見られる傾向の一部を、一般的な観察例や教育現場での声をもとに紹介しています。
特に男の子に多く見られる傾向として述べている内容についても、すべてのギフテッド児に当てはまるわけではなく、性別による決定的な違いを示すものではありません。
また、ギフテッドの定義や特性は多様であり、IQや特定の行動だけで判断することはできません。「才能」や「特異性」としてのみ捉えるのではなく、子ども一人ひとりの個性や背景、発達段階を尊重することが大切です。
ご自身のお子さまや関わるお子さんに当てはめる際には、専門家の助言や評価を参考にし、過度な期待や早急な判断を避けていただくようお願いいたします。
ギフテッドの男の子によく見られる5つの特徴
今回は、ギフテッドの一般的な特徴を踏まえて、特にギフテッドの男の子について、以下で深掘りしてきたいと思います。
【ギフテッドの女の子】5つの特徴と才能を伸ばす方法を解説 をご覧ください。
ギフテッドの女の子に関する記事は、1. ギフテッドの男の子は言葉を早く覚える、論理的思考も発達
IQ(知能指数)がギフテッドの基準とされている国や教育機関もあり、それぞれ異なりますが一般的にはIQが130以上と定義されていることが多いです。
※ IQを「ギフテッド」の基準にすることは、特定の国や教育機関であり、IQの数値のみでギフテッドかどうかを決めることは現在では推奨されていません。多面的評価(創造性、課題解決能力、社会性など)を重視する方向に移行しており、IQは参考指標の一つに過ぎません。
ギフテッド児は、「読む」・「話す」・「書く」などの作業をすぐに覚えるなど驚異的な記憶力を持っていたり、幼児期から大人顔負けの語彙や表現力を示すなどのケースがあります。
数字や化学的な構造など、抽象的な概念も早くから理解し、大人や異なる背景の人との話しを楽しむ場合もあります。
また、論理的に物事を考え、「なぜ?」「どうして?」を繰り返し、仕組みや理由、現象の背景にある意味を深く追求したがります。
このように、学習面で”早熟”という点が特徴です。
特に、ギフテッドの男の子に多い傾向を以下でご紹介します。
2. ギフテッドの男の子は好奇心旺盛で好きな分野を深く探求する
ギフテッドの子は、興味の対象を「浅く広く」ではなく「狭く深く」追求することが多いです。
百科事典やインターネットで自ら情報を調べ、中高生レベルの理論や知識を理解しようとする姿も見られます。
自分でどんどん学んでいき、大人の助けを必要としないほどの知識の深さになることもあります。
特に、ギフテッドの男の子に多い傾向としては、電車、恐竜、宇宙、科学、鉱物、プログラミングなど、理系・技術系の分野(STEM分野)への強い関心が高いことが多いでしょう。
3. ギフテッドの男の子は強い集中力と特定のテーマへ没頭する
特定のテーマや活動に対して、数時間から1日中没頭できる集中力を持つ場合が多くあります。
例えば、列車の時刻表を延々と再現して効率化するための方法を考えたり、宇宙や星座の起源を解き明かそうとしたり、プログラミングのコーディングを徹底的に学習したり、偉人の伝記書籍を読みふける、などです。
実験や組み立てなど「試す・壊す・確かめる」こともとことん楽しみ、チャレンジ精神が旺盛でしょう。
一方で、一般的な学校の一斉授業では知的好奇心が満たされず、「授業はつまらない、意味がない」と感じてしまうことも。
その状況では、周りの人からは「飽きっぽい」、「落ち着きがない」などの誤解にもつながってしまいます。
4. ギフテッドの男の子は完璧主義
ギフテッドの子どもは、自分自身に対する期待や基準が高く、宿題や作品に対して納得いかず何度もやり直す、少しのミスに強い不安や怒りを感じることがあります。
癇癪を起こしたり、時に悔しくて涙を見せることもありますが、「どうすれば良くなるか」を自分で考え、自然に自分で改善策を思いついて試すこともあります。
周りの人からの適切なサポートがあれば、強いモチベーションに変わる一方、自己否定や不安感の種にならないよう周囲の理解が必要です。
5. ギフテッドの男の子は同年代とのズレを感じやすい
ギフテッドの男の子は、精神年齢や興味の方向性が同じ年の子どもたちとズレることが多く、また集団での遊びや話題に共感できず、学校生活で疎外感を持つことがあります。
例えば、戦隊ものやカードゲームなどに関心を持てず、むしろ年上や大人との会話やコミュニケーションに魅力を感じることがよくあります。
論破型・自己主張型の会話になりがちで、周りのお友だちとの話が合わず、かつ興味関心の対象も異なることが多いため孤立を感じることもあるでしょう。
補足:2歳・3歳の時期のギフテッド性の見極めについて
2歳・3歳頃から物事に強く集中したり観察力を示したりする姿に、「もしかしてギフテッドでは?」と感じる親御さんも多いでしょう。
しかしこの時期は、知的好奇心が自然な子どもらしさの範囲であったり発達の個人の特性による場合も多く、年齢が進むにつれ特性が安定して現れるかを慎重に見守ることが大切です。
男の子は特に、興味対象が外向き(モノ・仕組み・操作)に表れやすいため、ギフテッド性によるものなのか、子どもらしい興味の強さがゆえの行動なのかの見極めが必要になります。
ギフテッドの子どもの特徴は多様で、確かに性別による傾向もありますが、個人差による特性の方が大きいと考えられています。
何よりも、「その子自身の個性」をしっかり見つめ、理解し、環境や関わり方を本人と一緒に考えてあげられると良いでしょう。
ギフテッドと発達特性を持つ「2E」の場合
ADHDやASDなどの発達障害とギフテッド性を併せ持つ『2E』のケースについては、以下のような可能性に留意しておくとよいでしょう。
『2E』に関する情報は、以下の記事も合わせてご覧ください。
ギフテッドと発達障害の違いとは?〜「2E」の特徴や見分けるためのポイントを解説〜
高IQの子どもの「友だちとうまくいかない」|“非認知能力”を育てよう
ギフテッドの男の子。才能を伸ばすためにできること
ギフテッドの子どもの興味・関心のある分野を存分に探究させる
先ほどご紹介したように、ギフテッドの子は、特に好きなことに没頭することができます。
実験的な活動や「やってみる」という体験が、学びを深めることにつながるでしょう。
ギフテッドの子どもの安心できる「別枠の居場所」を作という観点でも、「普通の学校の枠」に無理に合わせず、理解ある友人やメンター、専門家とのつながりを持ち、特性の理解者にアクセスできる環境を作りましょう。
同じような趣味を持つ子どもたちとの活動に参加させることもポイントです。
- 図鑑・ワークショップなど、知識をさらに深掘りできるような教材や場所へアクセスを増やす。
- プログラミングや物理のオンライン塾、課外活動、民間企業が主催する理系分野のコンテスト/アワード、芸術的な活動など、チャレンジングな環境を用意する。
ギフテッドでも失敗を許容する環境を
本人が、自分への期待をコントロールできるようにメンタル面でもトレーニングをするなど、完璧志向であるがゆえのストレスをできるだけ減らしましょう。
たとえば、子どもが何かにチャレンジして思うようにいかなかった時に、以下のような声掛けができると良いでしょう。
「失敗したからこそ、わかることがあるね」
「思うようにいかなくて悔しいよね。チャレンジした証拠だね」
「何でそうなったか考えると、もっと楽しいね」
やできなかったことをチャンスと捉えられるよう、心理的安全性を確保するための声掛けも行っていきましょう。
ギフテッドの子どもを理解しよう
ギフテッドの男の子は、時に「浮いた存在」として誤解されがちです。
繰り返しますが、周りの理解が十分でないと、クラスや教室でも周りとの違いに傷つき、孤独感を感じるケースがあります。
ギフテッドの特徴を理解し、受け入れ、適切な環境を整えることで、その才能は社会にとって大きな宝になります。
「普通」に合わせようとせず、ギフテッドの子の「得意」や「好き」を信じ、尊重しながら育てていくこと。
それが、ギフテッドの子どもたちが自己肯定感を持って成長していくための第一歩です。
日本では、ギフテッド教育は少しずつ対応が始まっていますが、まだ発展途上であり、この記事がギフテッドの子どもたちの才能を育むきっかけになれば嬉しいです。
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