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「10歳の壁」とは?その時期の関わりで大事なこと〜子育ての新たなステップ〜

「10歳の壁」という言葉を聞いたことはありますか?

他にも、「9歳の壁」「小4の壁」などの言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。

微妙に言葉は違いますが、それらはすべて同じ状況を意味しています。

10歳頃に子どもが直面する「壁」を乗り越えるためには、親としての関わり方が非常に重要です。

この時期に求められる具体的なアクションとはどのようなものなのでしょうか。

この記事を書いた専門家

日塔 千裕


公認心理師、臨床心理士

発達障害や発達に心配がある子どもへの心理検査や子どもの指導、親御さん向け講座などを通して、1,460組を超える親子をサポート。電話相談でも、学校問題・親子関係など幅広い相談を受け、10,000件を超える相談に応じる。

「壁」という言葉の通り、10歳頃の小学校4年生前後に何らかの立ちはだかる壁があるということです。

どのような壁かというと、この10歳頃は具体的内容の理解から抽象的内容の理解が求められるようになる移行期となる発達段階なのです。

たとえば、小学校の学習内容を考えてみてください。

1~2年生の学習内容(算数)

・足し算、引き算、2年生で九九

・位としては、2桁から簡単な3桁の計算程度の数の操作

3~4年生の学習内容(算数)

・割り算

・位としては、万の単位ほど大きな数の操作

・小数や分数といった整数の計算(触り程度に2年生でも扱うが本格的な理解は3年生から)

算数の学習内容だけを見ても、1~2年生の学習内容と3~4年生の学習内容で具体的内容から抽象的内容に移行していることが分かるでしょう。

国語においては、学習内容だけ見ても具体的内容と抽象的内容の判断がつきにくいところではありますが、学習指導要領には次のように記載されています。

<語句の量>

1~2年生:身近なことを表す語句の量を増やす。

3~4年生:様子や行動、気持ちや性格を表す語句の量を増やす。

<言葉の働き>

1~2年生:言葉には事物の内容を表す働きや経験したことを伝える働きがあることに気付く。

3~4年生:言葉には考えたことや思ったことを表す働きがあることに気付く。

<話すこと>

1~2年生:事柄の順序を話す。

3~4年生:理由や事例などを挙げながら話の中心が明確になるように話す。

このように1~2年生の低学年の時期と3~4年生の中学年の時期を比較してみると、低学年は具体物の名称の語彙を増やしていき、事物の内容や経験を時系列に沿った事実に基づいた話ができることが求められています。

それに対して、中学年になると、様子や気持ち、考えといった内容が含まれるようになります。

もっと分かりやすく言えば、作文で1~2年生の頃は「〇〇しました。楽しかったです」でよかったものが、3~4年生になると、何が楽しかったのか、どのように楽しかったのか、あるいは楽しい以外にもさまざまな感情表現を用いて説明するなどが求められるようになります。

このように1~2年生と3~4年生で具体的内容から抽象的内容に移行するというのは、学習指導要領を作成している文部科学省が決めたというものではありません。

学者が提唱している発達段階に基づいて作成されているのです。

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