心理検査、知能検査何が違う?子どもに検査を受けさせたいと思った時のQ&A

お子さんの発達が気になっていたり、幼稚園・保育園・学校の先生から指摘されたりなどがあると、悩み、いろいろと情報を調べていることでしょう。

そのような状況の中で、「心理検査」という言葉に触れることも多いはず。

今回は、「心理検査」などの言葉に出逢った際に、多くの親御さんが疑問に持つような疑問やお悩みに心理士がQ&A形式でお答えします。

この記事を書いた専門家

日塔 千裕


公認心理師、臨床心理士

発達障害や発達に心配がある子どもへの心理検査や子どもの指導、親御さん向け講座などを通して、親子をサポート。学校問題・親子関係など幅広い相談を受け、1万件を超える相談に応じる。


「心理検査」は、総称です。心理検査の大分類が「発達検査」「知能検査」「人格検査」という3つがあり、その3つをまとめた総称が「心理検査」です。


心理検査を受けられる場所として主な場所は、医療機関、児童相談所、教育相談センターです。


心理検査は親御さんが受けさせたいと言ったからといって必ず受けられるものではありません。

医療機関であれば、医師の判断で「必要」と判断された場合、児童相談所や教育センター、その他の機関でも相談をする中で「必要」だと判断された場合のみ、実施することになります。



Q3と同様に、親御さんが希望した検査種別を必ず受けられるというものではありません。

というのも、心理検査によって、対象年齢が異なっていたり、年齢は対象の年齢であってもお子さんの特性や知的水準等によって実施が困難であったりと、さまざまな状態・状況を考慮しながら実施すべき心理検査を選定する必要があるからです。

そのため、親御さんの希望通りの検査種別を実施できるとは限らないです。

なお、就学相談の際に心理検査の結果の提出を求められているなどの場合には、必ず検査実施の予約を取る際に受ける必要のある検査種目を伝えるようにしてください。


上のQ1で、簡単に心理検査の違いを説明はさせていただきましたが、心理検査を受けることの目的としては、お子さんの状態・特性を把握し、どのような関わりがあるとよいかを検討することです。

実施する検査種別によって、どのような結果を把握することができるかは変わってきますが、概ねこのような内容を把握して、日常生活に活かしていく方法を検討することが心理検査を受けることの目的です。

ただ、残念ながら、心理検査を受けた後の説明や報告書の内容は、場所によってとても差が大きく、簡単な説明のみで結局受けてどうだったのかよく分からない、という声も聞いたことがあります。

心理検査を受ける前に、以下のポイントを確認してみましょう。

結果について説明の時間を取ってもらえるのか(30分~1時間程度が妥当)

結果は書面としてもらえるのか

結果説明は誰が担当するのか

(医療機関の場合)医師からの結果説明なのか心理士等の心理検査を実施した人からの結果説明なのか

(児童相談所や教育センターなどの相談機関の場合)いつも相談をしている担当の方が心理検査をするのか、心理検査のみ別の担当の方が対応するのか

心理検査は本来お子さんが持つ発達状況や知的能力などを測定するため、詳細に課題の内容をお伝えするさができないという状況があります。

ただ、お子さんの今の状態と日常生活での対応方法などの助言があるかどうか、親御さんの不安や疑問にきちんと応えてもらえるかなどが大切になるのではないかと考えています。

もちろん、費用や家からの距離、予約状況などどこで受けるかの判断基準はさまざまかと思います。

全体を把握して、どれを選択するか判断の一助となれば思い、ここまで説明させていただきました。

最善の条件が揃った場所で受けられるというケースは少ないかもしれませんが、選択する際のヒントとしてご活用いただければと思います。