072_子どもに伝わる!〜最強方法〜

子どもたちと心を通わせることは、親としては最も喜びに溢れていて、一方で時には最も大変なことのひとつかもしれません。

お子さんが「聞いてからすぐに行動にうつせない」「周囲が気になって気が散ってしまう」「人の話を聞いていない」などの問題を抱えていると、何度も同じことを伝えたり、「早くしなさい!」と叱ってしまうことが多く、お互いにストレスを感じ、問題の解決にはつながりません。

正直なところ、子どもと思い通りにコミュニケーションをとることは、親でさえ、思いのほか複雑で難しい場合も多いでしょう。

本記事を通して、子どもたちの心に届くように、注意を引きつける方法から、理解を深め、肯定的な行動を引き出す方法をご紹介します。


まずは、注目させることです。何かを伝えるときに、子どもが注意を向けているか向けていないかでは驚くほど効果が異なります。

子どもが聞く姿勢ではないときに指示をすると、子どもにとっては雑音になっている可能性があります。

雑音になってしまうと、子どもの中での出された指示の価値や意味が下がり、その状態で何度同じことを伝えても、聞き流すなどの行動につながってしまいます

子どもの注意を引くために、「こちらを向いてね」「今、聞いてほしいことがあるんだけど」という一言で子どもの姿勢を切り替えましょう。

目を見て話すことが難しい場合には、身体をこちらを向けるなど子どもの視界に入るように移動する方法でも大丈夫です。

注目を得る前に、子どもの目の高さに自分を位置づける、掃除しなければならない場所を指し示す、やってほしいことを親が実演する、など視覚的な情報を用いることも効果的です。


次に、注意を分散させないようにする、です。

ゲームをしている最中や、テレビなどがBGMで流れている時などは、指示を聞いたり従ったりするのが難しいことがあります。

指示を出す前に、注意を分散させる要因を最小限に抑えましょう

テレビを消し、子どもにゲームや本を置くよう伝え、子どもがこちらを向いていることを確認してください。

子どもが特定のタスクに集中しているときは、その活動を尊重し、完了するのを待つことも大事です。

また、複数人から同時に話かけられたり指示を出されても注意が散漫になるのでできるだけ指示を出す一人に一点集中させてください。


肯定的な言葉を使うことで、子どもの行動を促すことができます。

「走らないで」ではなく、「ゆっくり歩いて」と伝えます。

また、「今、これができたね!次はこれをやってみよう」と、一つ一つの成功を認めて次の行動を促します。達成感を感じさせることがポイントです。


そして、意外に重要なポイントの待つ時間を使う、です。

何かを言ったり質問をした後、3〜7秒間、何も言わず、一時停止してみてください。

これは「魔法の時間」とも言われていて、子どもたちは「待つ時間」を持つとで、大人の言葉をより良く処理し、適切に応答することができるようになります。

子どもがそれでも指示に従わなかったり質問に答えなかったりする場合は、指示をして待つ、ということを何度か繰り返しても問題ありません。

ただし、子どもが答えを考えるために必要とする時間は個人差があることを理解し、柔軟に対応してください。


さらに、理解を確認する、です。

子どもに、きちんと指示を理解できたかどうか、指示の内容を実行できるかどうか確認してください。

「もう一度、何をするか教えてくれる?」と尋ねて、子どもに指示したことを繰り返して言わせたり、指示したことを自分の言葉で説明してもらうという方法も有用です。

子どもが自分の言葉で説明できない場合は、さらにシンプルかつ明確に指示を分解してください。

そうすると、子どもたちは指示したことに対して質問をする機会が得られますし、子どもが何かを誤解している場合には、指示を明確にする機会にもなります。

大人からの一方的な指示ではなく、子どもがきちんと理解して合意をした行為だという意識が子どもに生まれます

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再度は、一度に出す指示はひとつ、です。

可能な限り一度に出す指示は一つにしてください。そのため、手順がある指示については手順をひとつひとつを分解して、「最初に、次に、最後に」といった言葉を使って順序や番号をつけることも効果的です。

順を追って指示するようにしてください。一般的に人は一度に最大で4つのことを頭に入れることができます。手順を分解できない場合は、意味のあるグループにまとめて指示を出すようにしてみてください。

長い説明は避け、「おもちゃを片付けて」「手を洗って」など、シンプルな言葉を使いましょう。

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曖昧な指示に対処するのが難しい子どもも多いです。私たち大人でも、曖昧な指示に対応しにくいことはよくありますよね。

例えば、子どもが「部屋を片付けて」という指示に従わないときに、実際にはどうやって始めれば良いかわからないこともあります。

「まず洗濯物を片付けて、次に床のゴミを拾って、最後にベッドを整えてね」とか、「いい子にして」ではなく「椅子に座って待っていて」といった具体的な行動を伝えます。

具体的にやらなければならないことを方法とステップと共に伝えることで子どもは指示に取り組みやすくなります。

この記事では、子どもたちにより確実に物事を伝えるための行動をご紹介しました。

当たり前だけどなかなかできない、と言うようなものが多かったかと思います。

ただ、子どもたちの世界に足を踏み入れるには、このような特別なアプローチが必要です。

私たち大人が、子どもたちの言語を学び、理解し、そして正しくガイドする必要があります。

子どもたちとの日常的なやり取りを、ただの日常のルーティンではなく、子どもたちの心に直接響くようにデザインしていきましょう。