子どものIQ(知能指数)を調べる方法 知能テストで測定できることやギフテッドと成績の関係も解説 (2)

子どものIQ(知能指数)を調べる方法 | 知能テストで測定できることやギフテッドと成績の関係も解説

「うちの子のIQって、どれくらいなんだろう?」
「学校のテストや成績で本当のIQや知能がわかるの?」

子どもの才能や成長の可能性を考えたとき、多くの親御さんが一度は「IQ(知能指数)」という言葉に触れたことがあるのではないでしょうか。

そして、その方法として思い浮かぶのが、「IQテスト」かもしれません。

でも、IQって本当に“魔法の数字”なのでしょうか?

IQについて考えるときに大切なのは、過度に期待したり、誤解したりしないよう、きちんとした見方を持っておくことです。

この記事では、以下の内容を通して、子どもの可能性をどう広げていけるかをご紹介します。

  • IQとは何か?その意味と限界
  • 子どもがIQテストや知能検査を受けることのメリットとリスク
  • 実際に受けられる検査の種類や場所、選び方
  • IQテストや検査結果をどう活かすか
  • IQを踏まえた日常生活でできるサポートや関わり方

IQって何を示している?

IQ(Intelligence Quotient:知能指数)は、ある種の認知能力(論理的思考、言語理解、記憶、処理速度、空間把握など)を統計的に測定し、「同年齢層の平均と比較して、どの程度の位置にいるか」を示す指標です。 

多くの知能検査では、平均を100とし、標準偏差(ばらつき)を15などに設定していることが一般的です。 

ただし、ここで注意したいのは、あくまでIQは「知識量」ではなく「認知能力・認知処理力に関する指標」という点です。

これまでの学習や経験、環境の影響も大きく受けます。 

IQが高い/低いとは?

先ほども述べたように、一般的なIQテスト/知能検査では、言語理解・推理・処理速度・記憶など、いくつかの側面に分けて知的機能を測定します。

その結果、100を平均として、上下に数値が振り分けられます。

一般的に、IQスコアは以下が目安とされています。

  • 「高い」ー120以上
  • 「平均的」ー85〜119
  • 「低い」ー85未満

なお、IQが高い=何でもうまくいく、というわけではありません。

感情の調整や社会性、忍耐力といった「非認知能力」とのバランスも、社会で幸せに生きていくためには欠かせません。

逆に、IQが低めであっても、強みは必ず存在します。興味があることには粘り強く取り組めたり、人への共感力が豊かだったり、数値だけでは測れない魅力がその子の中にたくさんあるのです。

IQテストのメリットと役割

IQを知ると、以下のようなメリットがあります。

  • 子どもの認知スタイル、得意・不得意を把握する手がかりになる
  • 教育支援や個別指導プランに活用できる
  • 発達特性などを早期に気づくことができる
  • 子どもの成長を長期的にフォローするときのヒントになる

IQテストの限界と注意すべき点

子どもに知能検査を受けさせるかどうかを考えるとき、最初に留意しておきたい視点があります。

「何のために測りたいのか?」ということです。

これを明確にしないと、後で検査が子どもにとって重荷になったり、子どもの特性を解釈する時にミスや誤解を招いたりします。

  • IQスコアだけで”将来成功するかどうか”は決まらない
  • 感情的な側面、非認知能力(協調性、創造性、開放性など)も人生の重要な変数
  • 一回のIQテスト・検査はその日の体調・心理状態・モチベーションに左右される(特に年齢が幼いと影響も大きい傾向)
  • テスト・検査の内容や形式によっては得られるスコアの性質は異なる
  • 専門機関で受けるIQテスト・知能検査では、検査結果の読み解き方が検査者の経験に左右される場合がある

結論として、IQは“知能に関する一つの側面を可視化するツール”であり、それ自体が目的になることは避けたいところです。

IQスコアを、子どもを比較したり競争の材料にすると、過度なプレッシャーをかけることにつながることも留意しておきましょう。

“ギフテッド”とは、IQ・知的能力や特定分野における能力が、同年代と比べて際立って高い子どもを指す言葉です。

一般的に「IQが130以上」とされるケースが多いですが、実際のギフテッドかどうかの判断には、創造性、集中力、感受性、探究心、リーダーシップなど、数値では測りきれない資質が複雑に関わります。

つまり、IQが高いから即「ギフテッド」とは限らず、逆にIQスコアが平均域であっても、特定分野で飛び抜けた才能を示す子は少なくありません。

先ほど示したように、IQスコアが必ずしも正しく測定できるとも限りません。


ギフテッドの子どもは、IQだけではわからないとお伝えしました。

ではどのような特徴があるのでしょうか?

特徴の一例を以下でご紹介します。この記事を読んでいる方のお子さんも、当てはまるものがあるのではないでしょうか?

  • 知的好奇心が非常に強く、大人顔負けの質問をする
  • 興味のある分野に対して驚異的な集中力を発揮する
  • 読み書き・数理・音楽・アートなど、特定分野で年齢を超えた理解や技能を示す
  • 感受性が強く、環境や人間関係に敏感
  • 自分の思考や吸収力の速さと周囲のペースのギャップに苦しむことがある

この「突出した強み」と同時に、学校生活での不適応や孤立、自己肯定感の低下といった課題を抱えることも少なくありません

IQテストは、強みの把握には役立ちますが、「ギフテッド=IQの高さ」だけで語るのは不十分というわけです。

関連ページ:ギフテッドについて

ネットを検索すると、IQテストや知能テストの情報がたくさん出てくると思います。

専門のIQテストや知能検査にはさまざまな形式があります。

お子さんの年齢、IQテストを受ける目的、信頼性などを見極めて、どの検査を選ぶかを考えましょう。

代表的なIQテストや知能検査の種類を、下記に整理します。 


以下のような場所で受検できることが多いです。


IQテストや知能検査を受ける前に、以下のポイントを確認してみましょう。

検査者の資格

臨床心理士、公認心理師、児童心理士など、適切な資格と実績を有しているか。

検査・分析の透明性

どの検査を用いるのか、どのようにスコア化・解釈するかが説明可能か。

フォローアップ体制

結果説明、カウンセリング、支援プラン提案などのフォローが含まれているか。結果の説明は誰が担当して、結果は書面としてもらえるのか。

コストと時間

費用やテストの実施時間、予約の難易度、結果確認に要する期間なども考慮すべき。


知能検査を受けたあと、スコアを見るだけではなく、以下のような視点で読み解き、子どもとの対話・支援につなげていけると良いでしょう。

  • 全体IQだけを見ない:言語理解・知覚推理・記憶・処理速度といった下位尺度(サブスケール)のバランスや偏りも重視しましょう。
  • 個人差を許容する:年齢や成長の段階、環境変化によってスコアは変わュニケーションツール。
  • 強みを伸ばす視点:高めだった分野をさらに伸ばす方法を考えましょう。
  • 苦手分野は補う視点:苦手分野を“克服させる”ではなく、「支援」「補助」「関連性を活かす」視点で捉えましょう。
  • ラベリングしない:「この子は○○型だ」「才能がない」など、決めつけに使わないようにしましょう。

IQスコアを“子どもの一側面”として受け止め、柔軟に支援を設計していくスタンスが重要になります。

また、IQを調べた際に、子どもに「テストの点=価値」と刷り込んだり、スコアの“上下”に一喜一憂することがないよう留意したいですね。

受検を決める際には、親自身が心の準備をしておくことが不可欠です。


結果をただ”良い”/”悪い”で終わらせず、「次のステップへつなぐ」道具として活用する姿勢が大切です。

たとえば、記憶力より処理速度に弱さがあれば、演習量を減らし段階を小刻みにする指導を取り入れる、視覚優位、聴覚優位など、子どもの認知傾向に沿った教材・教え方を探すなどです。

また、子ども自身に、スコアから見える「得意」「課題」の傾向を説明し、自己理解を助ける(ただし言葉選びに配慮が必要です)などにも活用できるでしょう。

2〜3年に一度検査を実施し、成長変化を確認するなどフォローアップ検査も中長期的な学び方の支援に有効です。

知能検査は「子どもの認知(知的)な力を可視化するツール」のひとつです。

むしろ、IQテストや知能検査の結果を「成長支援の素材」にするという立ち位置を、親として持っておくことが大切だと思います。

IQは、子どもを「高い」「低い」と区別するためのものではなく、その子の学び方や感じ方のスタイルを理解するためのヒント。

どんなIQの数値であっても、適切な支援と信頼ある関わりの中で、子どもは自分らしく力を伸ばしていけるでしょう。

専門機関の予約が取れない、オンラインですぐに受けたい、という方は、「ギフテッド診断」テストを受けてみることもおすすめです。

「ギフテッド診断」テストでは、子どものIQ(知能指数)はもちろん、行動特性、非認知能力、そしてもともと持っている才能のバランスなど多くの側面から確認することができます。

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