子どもがギフテッドとわかった時。特性と才能の我が子への伝え方を解説
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子どもがギフテッドとわかった時。特性と才能の我が子への伝え方を解説

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「専門家からギフテッドだと言われた。でも、本人に話すべきかどうか決められない」
「2eだとわかったものの、子どもにどう説明したらいいのか言葉が見つからない」
「話したら、自分は特別だと思い込んでしまわないだろうか」

こうした迷いを打ち明けてくださる保護者の方は、少なくありません。

この記事では、ギフテッドという特性を、子どもに、いつ・どんな言葉で・どこまで伝えればよいのかを、年齢別の声かけ例を交えながら解説したいと思います。

ギフテッドだと伝えていい?才能や特性を知ることが大切な理由

ギフテッド(gifted)とは、一般的に同年代の子どもと比べて、知的能力や特定の分野での才能が際立って高い子どものことを指します。

ギフテッドの子の多くは、かなり早い時期から「自分はどこか周りと違う」「自分に見えている世界は、ほかの子と少し違う」と感じています。

しかし、その違和感の正体がわからないままだと、子どもは自分で理由を探そうとしたり、その理由が「自分がおかしいからだ」というネガティブな方向に傾いていく場合もあるため注意が必要です。

ギフテッドという特性に限らず、自分の特性や個性を知ることで、可能な限り早い時期に、自分の特性に対してポジティブな向き合い方を知ることができます。

伝えることのメリット4つ

1. 「なぜ」に答えが見つかる

「みんなと違う自分」という漠然とした感覚が、「自分の脳にはこういう特徴があるからだ」という理解に変わります。名前があるだけで、落ち着く場合も多いです。

ただし、伝え方がポイントになってきますので後半で詳しくご紹介します。

2. 自分を責めずにすむ

ギフテッドの子は、周りと違う部分を「欠けているところ」として捉え、自分を否定している場合も少なくありません。

特性を伝えることで一つの個性として受け止められるようになります。

3. 自分を少し引いて見られるようになる

自分の状態を一歩引いて眺められるようになります。

「今日はすごく疲れてるな。たぶん、いろいろ感じすぎたせいかな」というように、原因の一つがわかることでしんどい場面での立て直し方も少しずつ身についていきます。

4. 助けを求めやすくなる

自分には合ったサポートが必要だとわかっていれば、困ったときに大人を頼ったり、自分でコーピングスキルを身につけてそれを試すこともできるようになります。

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伝えないままでいると何が問題?

「ギフテッドという特性を伝えない」という判断をされる方もいらっしゃるかもしれません。ご家庭ごとの事情があると思います。

ただ、何も知らされないまま過ごすと、自分の個性や特性に対して「どうして自分だけこんなに感じ方が違うのか」が解けないまま、孤独感や自己否定が深まっていったり、「みんなと同じにできない自分はダメだ」というセルフイメージが固まってしまう場合もあります。

場合によっては、うまくいかない原因を「自分の性格」や「努力不足」だと思い込み、背負わなくていい罪悪感を抱えたりする可能性もあります。

「なぜ自分はこうなのか」がわかると、その特性との付き合い方そのものが変わっていくでしょう。

いつ・どう伝える?家庭で話すタイミングと必要な準備

ここでは、とても重要な伝え方についてご紹介します。

まず、タイミングについてです。「何歳になったら」という決まりはもちろんありません。

ただ、次のような様子が見られたら、家庭で話を切り出す自然なタイミングといえます。また、伝え方にも工夫が必要なので以下を参考にしてみてください。

  • 「なんで自分はみんなと違うの?」「どうして自分だけこんなに気になるの?」と、子ども自身が聞いてきたとき
  • 学校や友だち関係でのつまずきがはっきりしてきたとき(授業への不満や行き渋り、不登校の兆しなども含みます)
  • 専門家による検査・評価が終わり、伝える材料がある程度そろったとき
  • 子どもの気持ちが比較的落ち着いている時期(トラブルの真っ最中は避ける)

話す前に準備しておきたいこと

  • 「ギフテッド=天才」「2E=障害」などといった誤解を、そのまま子どもに渡さないために、親自身がギフテッド・2Eやギフテッド教育について正しく理解しておく
  • 「あなたにはこういうところがあるよね」と具体的に話せるよう、わが子の特性や才能を個別に整理しておく
  • 迷ったときは、心理士や学校の先生など、子どもをよく知る人に相談しておく
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発達段階に合わせた年齢別の伝え方と声かけの例

お子さんの発達段階によって、わかる言葉も、受け止められる深さも違います。

以下では年齢ごとの考え方と、声かけの例を紹介します。

セリフはそのまま読み上げるためのものではなく、息子さん・娘さんがふだん使う言葉に合わせて、ぜひアレンジしてみてください。

幼児〜小学校低学年(3〜7歳ごろ)

この年齢では、「ギフテッド」という言葉を使う必要はありません。抽象的な説明よりも、本人がふだん感じていることに言葉を添えてあげるようにしましょう。

「なんで自分だけ違うの?」と聞かれたとき

伝え方の例

「人って、みんな少しずつ違うよね。かけっこが速い子もいるし、絵が上手な子もいるでしょ?頭も一緒だよ。あなたの脳は、ほかの子よりたくさん考えちゃったり、強く深く感じちゃったりすることがあるんだ。それは変なことじゃなくて、あなたの脳の特徴なんだよ」

ポイント

違いを「特徴」や「個性」として伝えるようにしましょう。身近なたとえを使うと、「みんな違っていい」という感覚が自然に育つでしょう。

感情があふれてしまったとき

伝え方の例

「そっかすごく悲しかったんだね。あなたの心は、いろんなことをとっても深く感じられるんだと思う。それってすてきなことなんだけど、ときどき心がいっぱいになって苦しくなるよね。どうしたら少し楽になるか、一緒に考えてみようか」

ポイント

感情の強さを「困ったこと」ではなく「深く感じる力」と言い換えましょう。同時に、つらさも本物だと認めてあげることで親が「一緒に考えてくれる人」だと伝わります。

小学校中〜高学年(8〜12歳ごろ)

抽象的な話も少しずつ理解できるようになり、「自分ってどんな人間なんだろう」という関心が芽生えてくる時期です。「ギフテッド」という言葉を、きちんとした説明とセットで伝えられるようになります。

はじめて「ギフテッド」という言葉を伝えるとき

伝え方の例

「考えたり、感じたり、学んだりする力がすごく活発だよね。『ギフテッド』って言葉、聞いたことある?そういう特徴のある人のことをそう呼ぶことがあるよ。でもね、『天才』とか『人より偉い』って意味じゃないんだよ。脳が物事を受け取って処理するやり方が、ちょっと独特ってこと。だから、難しい問題がするっと解けることもあれば、みんなが気にしないようなことでどっと疲れることもあるよ。」

ポイント

「天才」「偉い」という誤解は、最初にはっきり否定しておきましょう。才能があることと、天才であることは同じではありません。得意なことと苦手なことが同じ特性の表と裏だとわかると、子どもの中でいろいろなことがつながっていきます。ほかの子と比べるのではなく、「自分の脳の特徴」として話すのがコツです。

学校でのつまずきについて話すとき

伝え方の例

「学校で、こういうところがしんどいんだよね。それは、あなたの脳の動き方と、学校のやり方とか環境がうまくかみ合ってないところがあるんだと思う。もっとじっくり考えたいのに授業がどんどん進んじゃうとか、話したいことが友だちとちょっとずれちゃうとか。どうしたらうまくやれるか、一緒に考えていこうね」

ポイント

うまくいかない原因を、子ども自身ではなく「脳と環境の相性」に置いて説明しましょう。自分を責める気持ちの歯止めになります。

中学生〜高校生(13〜18歳ごろ)

「自分は何者なのか」という問いが、いちばん切実になる時期です。親が一方的に説明するのではなく、意見を交わしながら一緒に考えていくのも良いでしょう。

「なんで自分はこんなに生きづらいんだろう」と打ち明けられたとき

伝え方の例

「話してくれてありがとう。あなたが感じてること、ちゃんと本物だと思うよ。ギフテッドの特性がある人は、感じ方も考え方も強いから、同じ出来事でも人の何倍も疲れたり、傷ついたり、心が動いたりするんだって。それは弱さじゃなくて、あなたの感受性が深いってことなんだと思う。ただ、その深さとどう付き合っていくかは、一緒に考えていきたいな。よかったら、もう少し聞かせてくれる?どんなことをするとそれが落ち着きそうかな?」

ポイント

まず受け止めること。特性を「深さ」の一つとして言葉にしましょう。最後は問いかけで終わらせることで、親の説明だけで会話を閉じないようにすることも大切です。

「ギフテッドって言われても嬉しくない。むしろ嫌だ」と返されたとき

伝え方の例

「そう思うのはすごく自然だと思う。『ギフテッド』って言われると、なんだかプレッシャーに感じたり、その言葉だけで片付けられたりするように感じるよね。『だから頑張らなきゃ』とか『特別でいなきゃ』とか。でもね、この言葉はそういう意味じゃなくて、自分のことを理解するための道具のひとつ、くらいのものなんだよ。嫌なら使わなくていいし、大事なのは言葉じゃなくて、あなたが自分のことをわかっていくことだからね。」

ポイント

「嫌だ」という気持ちを否定せず、その裏にあるプレッシャーを言葉にして受け取りましょう。ラベルと自己理解を切り離し、その言葉を使うかどうかは子どもに選ばせてあげてください。

ギフテッド・2Eの子どもへの伝え方:強みと凸凹を一緒に伝える

ギフテッドの才能と、ADHD・ASD・ディスレクシアなどの発達特性や学習特性をあわせ持つ子どもを、2E(Twice-Exceptional)と呼びます。

ギフテッド2Eの3つのパターン | 発達障害の違い・特徴・支援方法を解説

得意と苦手の凸凹が大きいギフテッド2Eの子どもに話すときは、得意なことだけでも苦手なことだけでもなく、両方をひとつながりのものとして伝えることが大切です。

話の組み立て方

「あなたには、特別なところが2つあるんだよ」と切り出すと、子どもも受け取りやすくなります。

  • ひとつめ:あなたの脳は、○○(科学、虫、電車など、好きなこと・得意なこと)になると、すごく深く、速く、豊かに働く
  • ふたつめ:同じ脳でも、△△(読み書き、片づけ、集中など)は別のルートで処理しているから、人より時間がかかったり疲れたりする
  • そして:どちらも「あなたの脳」の話で、どちらもあなたの一部。どっちかだけが本当のあなた、ということはない

場面:「字を書くのは苦手なのに、どうして難しいことは考えられるの?」と聞かれたとき(小学校高学年〜中学生)

伝え方の例

「いい質問だね。あなたの脳は、アイデアを思いついたり、複雑なことを考えたりするのがすごく得意なのかもしれないね。でも、思いついたことを手で紙に書くのは、脳の別の回路を使う作業だから、そこは時間がかかっちゃうこともあるんだね。車でいうと、エンジンはすごくパワフルなのに、ある道だけ路面がでこぼこでスピードが出せない、みたいな感じかな?手で書く代わりにキーボードを使ったり、しゃべって文字にしたりすれば、あなたのエンジンの力はちゃんと伝わるんだよ」

ポイント

一見ちぐはぐに見える得意と苦手を、「脳の回路の違い」というたとえで説明しましょう。

「字が書けない=能力が低い」という思い込みをはっきり打ち消したうえで、別の方法があるという説明も添えます。

診断名は「理解のための言葉」として

「ディスレクシア」「ADHD」「ASD」といった言葉を伝えるか伝えないか、伝えるタイミングも、お子さんの状況をよく見極められると良いでしょう。

「あなたはこういう人間だ」と決めつけるラベルではないことを、あわせて伝えてあげてください。

自分の脳の特徴をよりよく知るための言葉であって、可能性に線を引くものではもちろんありません。学校で個別の支援や配慮を相談するときには、こうした診断名は役に立つことも多いです。

なお、「ディスレクシア」「ADHD」「ASD」といった言葉は、心理学的にも医学的にも”発達障害”という枠組みではありますが、「脳の多様性(ニューロ・ダイバーシティ)」という言葉を使うこともできます。

ニューロダイバーシティとは?発達障害やギフテッドを理解する

家庭や学校で「ギフテッド」という言葉を使うときに気をつけたいこと

言い訳の道具にしない

周りの大人が「ギフテッドだから仕方ない」「ギフテッドだからできなくて当然」というような言い方をすると、子どもは特性を言い訳に使うことを覚えてしまうことがあるので注意したいところです。

逆に、つまずきの理由を理解するため、また新しいスキルを身につけたり行動を見直したりするためにも活用できます。

本人の同意なく、人に話さない

子どもがいる場で「この子、ギフテッドなんです」と第三者に説明すると、子どもは自分についての情報を、自分の手で扱えなくなってしまいます。

学校の先生に伝える場合も含めて、誰に、いつ、何を話すかは、できるだけ本人に選ばせてあげてください。

また、アメリカの一部の地域のギフテッド教育では、その子が「ギフテッドである」ことではなく、「ギフテッド向けの教育プログラムに適性がある」という伝え方をしています。

正直なところ、日本ではまだまだギフテッドへの正しい理解が発展途上中であるため、「ギフテッド」という言葉を使うことに否定的な方も少なくないというのが現状です。

主語は「ギフテッド」ではなく「あなた」

「ギフテッドだから○○が得意なんだね」ではなく、「あなたは○○が得意だよね」と言いましょう。「ギフテッド」はあくまで枠組みや特性のひとつです。対話の真ん中に置くのは、その子自身の強みや困りごとであるように伝えましょう。

伝えたら終わりではない

子どもは成長するたびに、「自分がギフテッド・2Eであること」の意味を、違う角度から何度も問い直すことがあります。

小学生のときに納得したことを、中学生になってもう一度考え直すこともあるでしょう。日々の生活の中で、そのたびに隣で一緒に考えられる存在でいることが、子どもたちにとって、いちばんのサポートかもしれません。

まとめ:家庭でできるギフテッド教育の第一歩は「自分を知る言葉」を手渡すこと

ギフテッド・2Eについて子どもに話すことは、「あなたは特別な子だ」と教えることでも、「障害がある」と告げることでもありません。

「あなたの脳と心には、こんな特徴がある。それを一緒にわかっていきたい」という、対話のきっかけになると思います。

自分がなぜこうなのかを説明できる言葉を持っておくと、これから先の長い人生で、子どもが社会の中で困難と向き合い、強みを生かしていくこともできるでしょう。

ギフテッドの子育てに、完璧な伝え方はありませんし、一度ですべてが伝わることもありません。言葉に詰まっても、うまく説明できなかったと感じても、大丈夫です。

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