「うちの子、他の子と少し違う?」
会話が大人びていたり、興味のあることには驚異的な集中力を発揮したりする一方で、完璧主義や繊細な傾向がみられ集団生活で疲れやすい…
そんな特性が見られる場合、お子さんはギフテッドかもしれません。
ギフテッドの子どもの中でも、特に女の子の場合、知的好奇心が強く、感受性が豊かで、深い思考力を持つ一方で、周囲に合わせようと無理をしてしまう傾向があります。
その結果、自分の才能も発揮できず、精神的に負担を抱えるケースも少なくありません。
この記事では、ギフテッドの女の子に見られる特徴、学校や家庭での生きづらさ、そして才能を伸ばすために大人ができることを詳しく解説します。
ギフテッドの女の子の個性を理解し、のびのびと成長できる環境を整えるためのヒントにしてみてください。

監修:日塔 千裕
公認心理師・臨床心理士
発達障害や発達に心配がある子どもへの心理検査や子どもの指導、親御さん向け講座などを通して、親子をサポート。学校問題・親子関係など幅広い相談を受け、1万件を超える相談に応じる。
「うちの子、ギフテッドかも」と感じている方へ。
お子さんの特性を理解し、日々の子育てに活かしていくためにまずギフテッド診断を受けてみることをおすすめします。
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ギフテッドとは?
ギフテッドの定義
「ギフテッド(Gifted)」とは、単に学力が高いだけでなく、知的能力・創造性・リーダーシップ・特定分野への強い関心など、複数の側面で突出した能力を持つ子どもを指します。
現状では、IQ(知能指数)を基準にすると、130以上を目安とし、IQ以外の基準でも、行動や思考の特性なども含めてギフテッドの定義が考えられています。
ギフテッドの女の子は、知識の吸収が非常に早いため、一見すると”しっかり者”や”成績優秀な子”として見られますが、その内側には繊細さや孤独感を抱えていることも少なくありません。
ギフテッドは診断できる?判定の仕方とは
ギフテッドでありながら限局性学習症(SLD/学習障害・LD)やADHD、ASDなどを併せ持つ「2E(Twice Exceptional)」のケースもあり、学校生活や対人関係で困難を感じやすいとされています。
さらに、ギフテッドには「OE(過度激動性)」と呼ばれる強い感受性や反応の鋭さを示す特性がみられ、過度興奮性や過興奮性などとも言われたりします。
こうした複雑な特性を理解するためには、行動観察や生活環境の把握、知能検査、行動評価、専門家との面談など、多面的なアセスメントが重要です。
アセスメントの目的は「ギフテッドかどうか」を単に判定することではなく、子ども一人ひとりの特性を深く理解し、その子に合った学び方や支援方法を見つけることです。
なお、『ギフテッド』自体は、現状、医学的な診断名ではありません。
日本では明確な定義や判断基準もまだ確立はされていませんが、文部科学省では”特異な才能のある子ども”として、支援する方向で検討が進められています。
ギフテッドの子どもは診断できる?発達障害との違いと支援方法も解説
ギフテッドの診断方法や傾向、発達障害との具体的な違い、支援方法について分かりやすくご紹介します。

ギフテッドの女の子の顔つき
ギフテッドかどうかを把握するために、「顔つきや顔立ちからギフテッドかどうかがわかるの?」と思う方もいるでしょう。
結論としては、ギフテッドを顔つきで見分けることはできません。
ただし、ギフテッドの子どもは、その特性がゆえに表情の違いなどはあるかもしれません。以下の記事で詳しくご紹介しています。
ギフテッドの子どもの顔立ち・顔つきとは?就学前と小中学生の特徴をそれぞれ解説
ギフテッドの子どもに見られる表情の特徴や行動との関係、脳の発達と顔つきや顔立ちとの関連性について詳しく解説します。

ギフテッドの女の子の5つの特徴とは?
先ほどご紹介した通り、ギフテッドの女の子の中にも「2E(Twice-Exceptional)」のケースがありますが、特に女の子はその特徴や困りごとを上手に隠せてしまう場合も多いため、周囲が気づきにくいことも。
以下では、ギフテッドの女の子の主な特徴を5つご紹介します。
特徴 1:言葉の発達が早い
ギフテッドの女の子は、幼少期から言葉の発達が早く、大人顔負けの語彙を使いこなすことがあります。
年齢に比べて複雑な表現を理解したり、会話の文脈を深く読み取ったりする力が際立つでしょう。
中には、乳児期から話しかけへの反応が早く、長い文章を正確に記憶して話す子や、親が驚くほどの記憶力や言語理解力を示すケースも多く、早期に知的活動への関心が芽生えやすい傾向があります。
言語能力が高いため、周囲の子どもよりも「大人っぽい」と言われたり早口の場合も多いです。
特徴 2:探求心が強く、興味の幅が広い
一度気になったことは納得するまで徹底的に調べ、深く掘り下げて理解しようとします。
具体的には、百科事典を読む、図鑑を眺める、あるいは特定分野の専門知識に幼い頃から詳しいこともあります。
この背景の一つとしては、「知的OE(過度激動)」という特性が影響しているとされています。
ギフテッドの子どもに多い過度激動(OE)とは?ADHDやHSPとの違いも解説も合わせてご覧ください。
物の仕組みを知るために分解してみたり、自分なりの使い方を試したりするなど、行動的な学び方を取る子も少なくありません。
また、ショートスリーパーで、睡眠時間が短くても日中の活動は活動的などの例も観察されています。
ギフテッドの子どもに多い過度激動(OE)とは?ADHDやHSPとの違いも解説
OE(過度激動性)は、ギフテッドの子どもに多くみられる特性です。OEとは何か、その種類と特徴、ADHDやHSPとの違い、家庭での接し方などを詳しく解説します。

特徴 3:感受性が非常に豊か
ギフテッドの女の子は、感受性が豊かで、周りの人の気持ちや環境の変化も敏感に察知しやすい傾向があります。
映画や音楽などに感情が大きく揺れ動いたり傷つきやすい一面もあり、些細なことでも深く考え込んでしまうことがあります。
この感受性の高さは、「共感力の強さ」として現れる一方で、本人が意図せず人間関係に疲弊したり、音・光・においなど五感に関わる刺激の多い環境で集中できなくなったりするケースもあります。
この感受性が故に、周りの子どもたちとのコミュニケーションや学校での集団生活に困難を抱えている場合も多いです。
このような特性を「情動性OE」と呼ばれたりします。
特徴 4:強い正義感と理想主義
ギフテッドの女の子は、他人への思いやりが強く、正義や公平さに対して敏感な傾向が見られやすいです。
不合理なルールや不正を見過ごせず、周囲の大人に意見することがある一方で、「なぜみんなはそう感じないのか」という違和感から、孤立感や生きづらさを感じやすくなることがあります。
幼少期から社会的な正義や倫理に強い関心を持つこともあり、他人の苦しみを自分のことのように感じてしまう場合も少なくないでしょう。
学習面ではプラスに働くこともありますが、ストレスを抱えやすくなる原因にもなるため、適度な息抜きや「失敗しても大丈夫」、「他のお友だちにはその子なりの進め方がある」と伝えていくことが重要です。
特徴 5:学校の授業に物足りなさを感じる
IQが高く、理解が早いギフテッドの女の子にとっては、学校の授業の内容が簡単すぎたり、テンポが遅く感じたりすることで、退屈に感じ、問題行動と捉えられる行動をあらわしてしまうことがあります。
このような状況では、集中力が途切れたり、先生から注意を受けたりして能力の高さよりも「落ち着きがない」、「やる気がない」など問題行動として誤解されることもあります。
日本ではまだギフテッドの定義や支援制度が整っていないため、学校現場で理解が得にくいケースも多いのが正直なところです。
地域や学校によって対応はさまざまなので、まずは家庭と学校、専門機関との連携が大切です。
ギフテッドの男の子の特徴についはこちらの記事で詳しく解説しています。
ギフテッドの男の子の特徴を解説 | 高知能の子どもの育てにくさと才能の活かし方
ギフテッドの特に男の子に見られる特徴やその背景、彼らの才能を活かすためのコミュニケーションや支援の方法について、親や先生が取り組める方法をわかりやすく解説します。

ギフテッドの女の子は発達障害があると困り感が大きくなる
ADHDやASDなどの発達障害の特性をあわせ持つ場合(「2E」といいます)、不注意・衝動性、感覚過敏などがあっても我慢して周りに合わせてしまう場合があります。
特に小中学校の年齢においては、ギフテッドの女の子は周りのお友だちとの違いが気になる時期でもあるので、周囲に同調することを優先する傾向があります。
ギフテッドネスと発達凸凹を持つ子どもの理解〜違いを見分けるためのガイド〜では、ギフテッド性に起因する特性と発達障害に起因する特性の見分け方をご紹介していますので困難を解消するヒントにしてみてください。
関連記事:ASD(自閉スペクトラム症)とは?特徴、診断の受け方やサポート方法について詳しく解説【小中学生編】
関連記事:小学生の子どものADHD(注意欠如多動症)とは?特徴や原因、対処法・治療法も解説
ギフテッドの女の子の才能を伸ばすために
ギフテッドの女の子が持つ能力を最大限に引き出すためには、以下のような支援や関わり方が大切です。
1. ギフテッドの女の子の興味のある分野を伸ばす
上でご紹介したように、ギフテッドの女の子は自分の興味のある分野に強い集中力を発揮します。
知的好奇心を大切にし、興味のあることを深く追求できる環境を整えてあげることが大切です。
2. ギフテッドの女の子の感受性の強さを理解し、メンタルケアをする
感受性が強く、周囲の影響を受けやすいギフテッドの女の子には心の負担を減らす関わりも大切です。
安心して自己表現できる環境を作ることで、ギフテッドの女の子の自己肯定感も高めることができます。
3. ギフテッド教育の活用を検討する
日本ではまだギフテッド教育が十分に普及していませんが、オンライン講座や課外のプログラムを活用するのも方法です。
日本では、学校の授業に追加して課題を与えるなどの「取り出し型」と言われるギフテッド教育が浸透していません。
一人で学習を進めるギフテッドの女の子ももちろんいますが、通常の学習環境では物足りないと感じる場合、特別なカリキュラムを提供する民間の教育機関を活用するのも効果的です。
ギフテッド傾向の子どもが活用できる学びの場・学び方8選ではギフテッドの学びの場を紹介していますので参考にしてください。
ギフテッドの女の子の”生きづらさ”
冒頭でご紹介した通り、ギフテッドの女の子は、周りとは異なる特性を隠して周囲に合わせようとする場合が多いです。
「こうすればいいのかな」、「目立たないようにしないと」など、周りに合わせようと頑張りすぎてしまうことがあります。
周りがどんなことを自分に対して望んでいるか、周囲の期待を読み取りやすく、その知能の高さゆえに適応できてしまっていて、ギフテッド性に起因する困難がわかりづらいと言われています。
過剰適応になったり、うつ病などの二次障害につながらないよう、まずはギフテッドの女の子の特性に気づくことが大切です。
発達障害やギフテッドの子どもに多い?「マスキング」とは?女の子に見られやすい理由も紹介
ギフテッド性や発達障害が目立ちにくいマスキング現象。なりやすいケースや背景・リスクをご紹介しながら親御さんができるサポートを解説します。

ギフテッドの女の子の特徴を理解し才能を伸ばそう
ご紹介した通り、ギフテッドの女の子は、言語の発達が早く、好奇心旺盛で、感受性が豊かという特徴を持っていることが多いです。
しかし、完璧主義や繊細な傾向が見られ、集団生活で疲れやすいこともあります。
大切なのは、一人ひとりの特性を理解し、無理なく才能を伸ばせる環境を整えることです。
ギフテッドの女の子の才能を最大限に引き出すために、周囲の大人ができることはたくさんあります。
彼女たちの個性を理解し、受け止め、できれば必要な機会を提供しながら成長を温かく見守る支援ができればいいですね。
彼女たちにとって心地よい形で、子どもたちの才能が社会で花開きますように。
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ギフテッド診断とは
子どもの才能は、多くの側面に光を当てながら総合的に判断することが重要です。
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本記事では、ギフテッドの子どもたちに見られる傾向の一部を、一般的な観察例や教育現場での声をもとに紹介しています。特に女の子に多く見られる傾向として述べている内容についても、すべてのギフテッド児に当てはまるわけではなく、性別による決定的な違いを示すものではありません。また、ギフテッドの定義や特性は多様であり、IQや特定の行動だけで判断することはできません。「才能」や「特異性」としてのみ捉えるのではなく、子ども一人ひとりの個性や背景、発達段階を尊重することが大切です。ご自身のお子さまや関わるお子さんに当てはめる際には、専門家の助言や評価を参考にし、過度な期待や早急な判断を避けていただくようお願いいたします。



