言うことを聞かない子ども

「言うこと聞かない子どもにイライラする」

「毎日言い続けて疲れた」

こんな風に思っている保護者の方はきっと多いですよね。

幼稚園や保育園の子ども時代と、小学生の子どもが言うことを聞かないには違う理由がある場合もあります。

今回は、小学生の子を持つパパ・ママの子育て相談のプロであり、臨床心理士・公認心理師である筆者が「言うことを聞かない子どもの対処法【小学生編】」を紹介します。

この記事を書いた専門家

いけや さき


公認心理師、臨床心理士

精神科病院、療育施設、心療内科・児童精神科クリニックなど主に医療と福祉領域にて心理士として従事。発達障害の子どもたちや保護者、女性のメンタルヘルス等のサポートを行いながら、webライターとしても活動中。

「イヤイヤ期はとっくに過ぎてるのに」

「言えばわかる年齢のはずなのに」

「周りの子はちゃんとやれてるのに」

さまざまな理由で、言うことを聞かない子どもとの接し方に悩んだり、疲れたりしている保護者の皆さんはきっと多いですよね。

本当は怒らずに伝えたいのに、つい感情的になってしまうこともたくさんあると思います。

ここからは具体的に、小学生の言うことを聞かない子どもへの対処法を紹介していきます。

小学生の言うことを聞かない子どもへの対処法は次の5つです。

それぞれ以下で具体的に紹介していきます。


皆さんの子どもは、どうして言うことを聞けないのでしょう。

今回の記事の後半では、子どもが言うことを聞かない理由を紹介しています。

まずは、子どもがなぜ言うことを聞かないのかを考えてみましょう。考えるコツは親が「冷静なとき」、周りに「子どもがいないとき」に落ち着いて考えてみることです。

子どもがいる状態では、つい子どもの現状に意識が向いてしまいます。

こんな感じがおすすめです。

どう考えたらいいかわからないときは、Gifted Gazeのカ専門家にご相談くださいね。


「○○しないで!」「やめてって言ってるでしょ!」

子どもが言うことを聞かない状態が続くと、つい感情的に言ってしまうことってありますよね。

すでにやっている保護者の方もいるかもしれませんが、子どもに声掛けするときのポイントをまとめました。

最後の「子どもの特徴にあった伝え方」が必要なのは、同じ子どもでも理解しやすい状況が異なるからです。

シンプルに伝えた方がいい子もいれば、理由を丁寧に伝えた方がいい子もいます。子どもがどんな伝え方なら、理解できそうかいろいろ試してみましょう!


保護者の方が子どもに注意したり、伝えたりする場面は「親がしてほしいタイミング」のときがあります。

確かに、してほしいタイミングってあると思いますが、子どもの気持ちに寄り添ってみましょう。

子どもはいろんなことを知るようになっても、自分の気持ちを表現できない子は多いです。

「まだやめたくなかったんだね」

「今は○○がしたかったんだね」

など、子どもに対して「気持ちは伝わったよ」ということを言葉で伝えましょう。子どもはそれだけでも「わかってもらえた」という気持ちになります。

また、代弁することで「こういえばいいんだ」と子どもの言語表現の見本にもなれるのです。


子どもにとって、身の危険や周囲に大きな迷惑がかかっていない行動であれば、待ってみるのも必要な対処法です。

子どもが嫌がったり、声を荒げたり、なかなか行動をやめなかったりするときは何を言っても腑に落ちません。

自分で切り替えられたら、自分でできたことを褒めましょう。

待ってみることと、見守ってみることも時には大切です。最初はどのくらい待つか決めて待ってみる方が、保護者の方にストレスがかかりにくいかもしれません。

ただし、後半で紹介するNGな接し方だけはしないようにしてくださいね。


「言うことを聞かない」の内容にもよりますが、小学生の場合だと次の場面が多いのではないでしょうか?

  • ゲームをやめない
  • 宿題をやらない
  • 片付けない

保護者の方からしたら、どれもどうにかしたいことですよね。

ゲームなら「もっとやりたい!」という気持ちがありそうですが、発達障害の特性を持つ子どもたちなど、宿題や片付けの場合はやり方がわからない子も多いのです。

一緒にその子に合うやり方を考えるだけでも、今までよりやってくれるようになるかもしれませんよ。

こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

いろいろ工夫しているつもりなのに、子どもが言うことを聞かないのはなぜか…。

考えられる理由を4つ紹介します。全員に当てはまるわけではないですが、うちの子はどうかな?と考えながら読んでみてくださいね。


大人も子どもも、話を聞けるときと聞けないときってありますよね。

もしかしたら、声をかけているタイミングは、子どもにとって受け入れられるタイミングではないかもしれません。

また、聞けるタイミングであっても怒った口調や早口で言われると、怖さでいっぱいになって内容が入ってこないことも。声かけのタイミングが、子どもにとって適切だったか振り返ってみてくださいね。


「対処法⑤やり方を一緒に考える」でお伝えしたように、子どもはどうしたらいいのかわかっていない場合があるのです。

たとえば、心理検査・知能検査をしていると、「あれ」「それ」などの指示詞が理解できない子がいます。また、空間認知が苦手で、組み立てなどが難しい子もいます。

指示詞が理解できない場合「そこ片付けて!」と言われても、どこからどうしたらいいのかわかりません。

空間認知が苦手な場合は、適切な収納場所を理解できなかったり、整理整頓が難しくなりやすいのです。

やりたくない気持ちもあると思いますが、言われていることを行動に移せない場合もあります。


特に小学生の子どもは、自分で行動や予定を決めたくなる時期がやってきます。

低学年よりも、高学年に多い特徴かもしれません。(発達段階によって異なります)

たとえば、低学年ならまだ家族が中心の生活となりやすいでしょう。休日も家族で出かけることが多いかもしれません。

しかし、高学年になってくると生活の中心は友人になっていきます。友達と約束したゲームや遊びがあったり、休日も友達と出かけたくなったりするでしょう。

特に10歳前後は自我が芽生える時期とされています。小3あたりから少しずつ、「やりたい・やりたくない」以外に「友達のこと」「周りの目」などの影響も大きくなっていくのです。


保護者の皆さんは、子どもとの約束を守れていますか?その場をやり過ごすための嘘をついていませんか?

子どもは親の姿を見ています。

「忙しいからあとでね」と言っても、忘れてしまうこともあるでしょう。でも子どもは覚えています。

全員ではないですが、「パパママも守ってないじゃないか」という考えを持っている子もいるのです。その場限りの発言に気を付けましょう。

最後に、念のためNGな対処法をお伝えします。

わざとではなく、ついやりがちなことなので、改めてここで振り返りましょう。

  • 強い口調で伝える
  • 決めつける
  • すぐに禁止する

どれも子どもにとって、心理的負荷のかかる対処法です。

今回紹介した対処法を参考にしながら、NGな接し方を少しずつ控えていきましょう。

言うことを聞かない子どもにも、何かしらの理由があります。

子ども一人ひとり、言うことを聞けるタイミングや伝え方も異なるでしょう。でも保護者の皆さんも、仕事や家事で大変ななか、1人もしくは夫婦で考えるって大変ですよね。

Gifted Gazeでは、経験豊富な臨床心理士や公認心理師が子育てオンライン相談を行っています。悩みは抱えずに吐き出しましょう!