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ギフテッドの子供たちは、鋭い感性や情報を深く処理する傾向があります。

物事を豊かに感じとったり探究心や信念といったパワフルさを発揮できる一方で、特有の困り感を抱えることもあるでしょう。

保護者の方も、お子さまの様子を見ていて驚きや喜びを感じることもあれば、戸惑いや心配を感じる場面もあるかもしれませんね。

そうした時のアイデアの一つとして、今回は「リフレーミング」をご紹介します。具体的な場面や声かけの例を挙げながら、お子さまと一緒に取り組めるアプローチを解説していきます。

この記事でわかること

  • リフレーミングとは何か、その基本的な考え方
  • ギフテッドの子どもが困り感を抱える場面でのリフレーミング活用アイデア
  • 感情移入しやすい子ども、完璧主義の子ども、ルールに疑問を持つ子どもへの声かけ例
  • リフレーミングを取り入れる際に気をつけたいポイント

目次

  1. リフレーミングとは
  2. ギフテッドのお子さまへのリフレーミング活用アイデア
    1. 例1:感情移入し、落ち込んだり疲れてしまう
    2. 例2:小さなミスで深く落ち込み自己否定的になる
    3. 例3:ルールや指示に対して納得するまで尋ねる
  3. リフレーミングを取り入れる際の注意点
    1. まずは十分に本人の気持ちを聞く
    2. 考え方をジャッジしない
  4. おわりに

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この記事を書いた専門家

山崎 日菜乃

山崎 日菜乃(やまざき ひなの)

公認心理師・臨床心理士

心理士としてメールカウンセリングに3年半従事し、家族関係の悩み、心身の不調、仕事の悩みなど、様々な困り事へのサポートを行う。アメリカ合衆国在住。

リフレーミングとは

リフレーミングとは、物事の捉え方や意味付けの仕方を変えることで、感情や行動によい変化をもたらす心理的技法です。簡単な例で言うと、「頑固」を「粘り強い」と言い換えたり、「失敗」を「成長のチャンス」「チャレンジできた」と捉え直したりすることなどが挙げられます。

リフレーミングはネガティブをポジティブに変換するとか、間違った考え方を修正するということではありません。物事の捉え方を変えるには、ポジティブかどうか、正しいかどうかにさえとらわれずに、柔軟で自由な思考ができることが大切です。

また、リフレーミングの目的は、よい変化を引き出すことです。自分の力になってくれる考え方を探し選んでいくようなイメージをすると分かりやすいかもしれません。今の捉え方でうまくいかない時は別の捉え方や意味付けをしてみる、それによってよい変化が出てくるか確認してみる、そうした取り組みがリフレーミングです。

例えば、渋滞にはまった時に「予定より時間がかかるな」と思うとうんざりした気持ちになりますが、「好きな曲をいっぱい聴ける」「家族とゆっくり話せる」などと考えると少し楽しくなったり車内での過ごし方が変わりますよね。

このように、物事の捉え方や意味付けが変わると気持ちや行動も変化します。また人間関係においても、より多面的に自分や相手を理解できたり、お互いの意見を柔軟に受け止められることでコミュニケーションの豊かさも増すでしょう。

ギフテッドのお子さまへのリフレーミング活用アイデア

以下では、ギフテッドの子どもたちが困り感を抱く場面を例に挙げて、リフレーミングを活用するアイデアをご紹介しようと思います。

例1:周囲の人の感情、物語、ニュースなどに深く感情移入し、落ち込んだり疲れてしまう

ギフテッドの子どもたちは感情をはじめとする心の動きが激しいことが多く、それが敏感さや感情の振れ幅の大きさ、想像力の豊かさなど、様々な形で表れることがあります。

こうした心の動きの深さや激しさは時に、「不安定」や「メンタルが弱い」などと誤解されてしまうこともあり、周囲のそうした見方によって本人が傷ついてしまうということもあるかもしれません。

感受性豊かに様々なことを深く感じ取るお子さまを見ていると、保護者の方としても心配になることもあるでしょう。

そんな時こそ、その特性について、お子さまが力をもらえるような捉え方ができるように、リフレーミングを取り入れてみるチャンスです。

まずは、今どんな気持ちなのか十分に聞いて受け止めてあげましょう。どんな気持ちも感じていいものだよと改めて伝えてあげるのもいいですね。

少し落ち着いたタイミングがきたら「あの時、心の中はどうなっていたかな?」と振り返りながら、その答えに応じて「○○くんの心にはすごくいいセンサーがあって、色々な気持ちをキャッチできるんだね」「心のパワーが強くて、楽しいことや嬉しいこともいっぱい感じられるかもしれないね」などと自然にリフレーミングを提案してみるのもいいでしょう。

「心のパワーが強くて疲れちゃうこともあるけど、いいこともあるかな?」「悲しくなっちゃった時の心の充電方法を考えてみようか?」などと、お子さまも一緒に捉え方のアイデアやセルフケアの工夫を考えてみるのもいいですね。

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例2:小さなミスによって「全て台無しだ」と深く落ち込んだり「自分はダメだ」と自己否定的になる

周囲から高い期待を寄せられたり、自分に対しても高い基準を課すことの多いギフテッドの子供たちは、ちょっとしたきっかけで深く落ち込んだり、望ましい成果を出せるかどうかが自己評価に強く影響を与えることがあります。

特別な子だという認識をされることで、できて当たり前だと捉えられたり、成果にばかり注目が集まりやすかったりして、知らず知らずのうちに「期待に応えなければがっかりされる」「完璧でなければ認められない」といった捉え方(フレーム)がお子さまに影響を与えていることもあるかもしれません。

この例のような場面でも、やはりまずはお子さまの気持ちを受け止め、無理には変えようとしないことが大切です。

辛い気持ちも含めてお子さまの大切な気持ちであり、そのままの感じ方を尊重してあげる必要があるでしょう。

落ち着いた後で「一生懸命勉強してたからこそ、思うようにできなくて悲しかったのかな?」や「もっと上手くなりたいと思っているんだね」といった声かけで、お子さまの気持ちに寄り添いつつ、成果以外のことに注目を促してあげるのもいい方法です。

また、「すごく頑張って練習していたよね」「よくチャレンジできたね」などと、努力の過程やお子さま自身のあり方を認めてあげるのもとてもいいと思います。

外では成果に注目が集まりやすい分、特にご家庭では、できる/できないや優劣などではなく、お子さまの普段の何気ない様子や感情の揺れ動きをそのまま受け止めて認めるような関わりがあると、お子さま自身も捉え方のバランスをとりやすくなるのではないかと思います。

また、保護者の方自身のミスや落ち込んだ出来事について話してみて、お子さまと一緒に楽しくリフレーミングの練習をしてみるのもいいでしょう。

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例3:ルールや指示に対して「どうしてそうしなければいけないの?」と納得するまで尋ねたり、不合理さを説明したりする

物事を多角的に考えたり、常識や既成概念にとらわれない創造的な思考ができるからこそ、ギフテッドの子どもたちは時に集団生活や組織内で葛藤を感じることもあります。

大人に言われたから、ルールだからといった理由だけでは納得に至らずモヤモヤが募ったり、実際に尋ねて答えを求めたり自分の意見を力強く説明することもあるでしょう。

そうした姿勢に対して誠実に向き合ってくれる大人ばかりであることが望ましいですが、時にはわがままや反抗的と誤解されてしまったり、集団生活が苦手といった評価をされてしまうこともあるかもしれません。

そうした周囲の人の捉え方を通して、お子さま自身も、自分はわがままなのかな、集団生活が向いていないのかな、といった捉え方に引っ張られ、強みを見失ってしまう恐れもあるでしょう。

リフレーミングに取り組む上では、まずは例のような言動について、その背景にある気持ちや考えを理解する必要があります。

「その時どんな気持ちだった?」「○○ちゃんの考えを教えて?」という風に尋ねてみましょう。

じっくり話を聞いてそれを伝え返すだけでも十分リフレーミングになると思います。

例えば、「もっといいルールを提案したかったんだね」「先生が言ったことの理由を知りたかったんだね」などと伝え返すのもいいですね。

そこからもう少し広げて、「○○ちゃんは新しいアイデアを考えるのが好きなんだね」「知りたいっていう気持ちの力が強いんだね」などとお子さまの魅力や強みとして伝えてあげるのもいいでしょう。

人間関係のストレスやトラブルが多い場合は「○○ちゃんの力を勘違いされないように作戦を考えてみようか」という風に一緒に方法を考えたり、聞き方や伝え方を練習してみるのもいいと思います。

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リフレーミングを取り入れる際の注意点

まずは十分に本人の気持ちを聞く

お子さまが悩んだり辛そうな様子を見るのは保護者の方にとっても苦しいことであり、こう考えたらいいのに、こんな風に捉えたら楽だよと、先回りしてアドバイスをしたくなることがあるかもしれません。

しかしながら、本人にとってのその事柄の重みや意味合い、その時の気持ちは本人にしか分からない部分も大きいものです。

特に、ギフテッドの子どもたちは多くの情報を深く、同時に処理する傾向から、より強烈な感じ方や複雑な考え方をしていることもあります(ギフテッドであってもなくても、どんな人も違う感じ方や考え方をもっていますよね)。

そのため、まずは本人が感じたことをそのまま受け止めてあげることが大切です。今の気持ちが辛いものだとしても、その気持ちを味わうことも大切なプロセスです。

考え方をジャッジしない

リフレーミングの仕方や人の考え方に正解や優劣はありません。ある人にとって力になる考え方も、相手にとってもそうとは限りませんよね。

ギフテッドの子どもは既成概念にとらわれない思考をすることも多く(どんな子どもも大人が思い付きもしなかった考え方をすることがありますよね)時には、その考え方は良くないんじゃない?と思うこともあるかもしれません。

しかし、保護者の方にとっての良い悪いの軸を当てはめることで、その子らしさや思考の柔軟性が削がれてしまうこともあります。

リフレーミングのポイントは気持ちや行動、人間関係などにプラスの変化を起こすことです。

保護者の方から見て良くないと思う考え方が出てきた時も、先回りしてジャッジせず「その考え方でどんな変化が起こるか試してみようか」という風に、柔軟性を尊重してあげられるといいなと思います。

また、その考え方は良くないよ、と言うのではなくて「私はこういうことが心配なんだけど、○○くんはどう思う?」「その捉え方を気に入っている理由を教えて」などと本人の考えに興味をもち、知ろうとする姿勢で対話を重ねるのもいいですね。

おわりに

リフレーミングは単なる言葉の言い換えではなく、自分の力になってくれる思考を見つけていくプロセスです。

そのため、大人が自分なりの正解を教えるような姿勢ではなく、お子さまの感じ方や思考を教えてもらう姿勢を忘れないことが大切です。

そうした姿勢で対話をすることで、一緒に捉え方のアイデアを広げながら、「人によって考え方がこんなに違うんだ」「捉え方が変わると気持ちも変わるんだ」といった体験が楽しく積み重ねていけるといいなと思います。

リフレーミングをより効果的に活用するために。
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